コロナ感染防止対策として4/1~9/23まで店舗を休業したいましたがその間、幾つかの仕入れ業者さんに「値段はともかく最良な食材を提案して頂き、使ってみたい」とお願いして、試作をしていました。
7月、数年に1度と言っても過言ではない上質な煮干が手に入り「煮干祭」を開催。
敬愛している中華ソバ店主さんから「鴨」を頂き、ロースや内臓、ガラ、全てが素晴らしく衝撃を受け、問い合わせ、鴨と水のみの限定らーめんを検討。
8月末に繰り返し試作していた醤油ダレの質が急激によくなり、キリっとシャープで、魚介の広がる香りを散らかさずまとめてくれる様な1杯に仕上がり満足。
ふと、この醤油ダレは鴨のスープに合いそうだと思いつき、急遽鴨ガラの継続仕入れをお願いしして試作を始める。
鴨を旨味と香りのメインにおいて、煮干祭の上質煮干と今まで使用していた一等真昆布を旨味の補助に、使う素材は極力少なくシンプルに引き算で構想しました。
提供がスタートするまでにいくつか壁をクリアして現在のスープに仕上がりました。
スープに合わせて麺の改良の試作しましたが実は麺が1番苦労しました。らーめんは麺料理、麺が主役。塩分、油分、出汁感、粘度等を考えスープとのマッチングを1番気にかけています。今回のスープは動物系出汁の厚みがあるので、平打ちにしてスープの持ち上がりが少なるなるように製麺しましたが相性が良くありませんでした。
何度も試作をして今までより細く、麺肌がシルキー、もちもちでいてぷっつり切れる麺にしました。5種類の国産小麦を使い、少ない小麦は2%のみ配合、水を2種類ブレンドする事でシルキーにしています。
芝浜で使用している鴨
山形県大蔵村 加藤さんが飼育した最上鴨です